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ご来社頂いたお客さまから

 

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 先日ご来社頂いたオオタヒロコさんから素敵なイラストを頂きました。オオタさんは、赤ちゃんや子供向けの本や雑誌のイラストや雑貨などお仕事をされている素敵な女性です。

http://www.i-mizutama.com/
 
ご来社された時に心に残った、5匹のわんこや、母の古い箪笥・種まきのプランターなどを描いていただいたのですが、お人柄があふれる、温かみのあるイラストで私の心もあたたまりました。
 
一緒にいらしたご主人は、オーガニックな花や野菜作りを楽しまれている、やさしいご主人です。子供や生きるものへの愛情あふれる素敵なご家族でした。


 

「こしらえる」ということ

造作の仕事

「こしらえる」 「こさえる」という言葉・・・
最近はこんな言葉をあまり使わなくなったかもしれません。
しかし私達の世界では、よく使います。

「このスペースがもったいないから、棚をこさえようか・・・」
「この寸法にあう照明は無いから、こしらえようか・・・」っ等と

大工の仕事は、図面や指示書に沿って、ただ部材を組み立てるだけではありません。

打ち合わせの段階から参加し、お客さまの要望や不満を伺い、また現場の状況に応じて、最良の収まりや、スペースの活用を考えます。

既成の商品では、寸法、素材感、あるいは色味、またデザインのイメージが会わないなどの問題もよく起こります。

そのような場合は、素材やデザインまた寸法あわせなども、お客さまのご予算に応じて、臨機応変に対応をさせて頂きます。

 

材料を無駄にしない。
スペースを無駄にしない。
そして、大工さんの技術を無駄にしない。

これも私たちのエコロジーです。

こしらえるというコト00.jpg

ラボのエコアイテム:ペレットストーブ

 

ペレットストーブ「カローレ」 さいかい産業、古川さんとの出会い

「我が家の冬はツンドラです。」という、伊豆の別荘地にお住まいのS様の最大の悩みは、冬の寒さでした。スエーデン製の高額の薪ストーブが設置されていましたが、いくら薪を燃やしてもちっとも暖かくならないとのことです。

高額の商品でもあり、まず修理を検討し、取り扱いの業者さんに問い合わせをしましたが、恐らく改善は望めないとの返答です。

関東地方とはいえ、伊豆の山間の寒さは、東北・北海道並みで、かなり強力な暖房装置が必要とされます。別荘地の為、エネルギー源の制約もありました。プロパンガスは割高になり、灯油も高騰しています。緑豊かな木々に囲まれた立地から、薪ストーブが候補にあがりました。

燃焼効率が良く、ペレット燃料が使え、部屋の空気を汚しにくい、FFタイプという条件で探した所、新潟のさいかい産業さんのカローレという製品が見つかりました。

さいかい産業さんは、日本で唯一ペレット燃料の生産とペレットストーブの製造をする会社です。そして薪も使えるという点が更にうれしいところです。

地元の放置された森林の間伐から森林を再生したいという志から、試行錯誤を繰り返し、良質の素材を使い、燃焼効率の高い、本格派の信頼出来る製品作りを目指しています。

間伐材を利用して作られたペレットは循環型の木質バイオマエネルギーとして、イチオシのエコアイテムです。

間伐を行うことで、太陽の光が地面にまで届き、森が健全となり多様な生態系を形成し、森を豊かに、その結果は、川や海を豊かにします。

さいかい産業さんのURL

 

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 さいかい産業の古川さん

初めて問い合わせをした時に、きさくで熱い志をもった古川さんは 「どこでも行きますよ。」と新潟から100kgを越えるペレットストーブを車に乗せて、300kmを越える距離をはるばる東京まで来て頂き、実際に車に載せたストーブを運転してくださいました。

きりん君

ながーい煙突がきりんのような、グリルヒーターです。

非常時やアウトドアに活躍する、ペレットグリルヒーターきりん君は、一杯のペレットで約1時間燃焼し、バーベキューなどのグリルとして、またアウトドアのストーブとしても、威力を発揮します。

さいかいさんは、新潟中越地震のときに、このきりん君を、被災者に提供されたとのことです。

何より暖をとる手段がない時に、とても喜ばれたことでしょう。

組み立て式で、ペレットさえあればどこでも使えるので、車に積んでおくと良いですね。エコな非常時用・アウトドア用アイテムとして、こちらもおススメです。

 

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緑のすだれや自然素材リネンのカーテン

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温暖化対策のひとつとして、窓辺につる性の植物(ゴーヤ)を育て、 収穫も兼ねて「緑のカーテン」は、いかがでしょうか?

夏はなんといってもゴーヤですが、琉球朝顔や、キウィ。風船かずらなど、お好みの植物で楽しむことが出来ます。

見た目の涼しさだけでなく、収穫の楽しみ。そして実際の部屋の温度を下げるのに、大満足の結果になるはずです。

リネンのカーテン

カーテンは、思いのほか汚れるものです。リネンのカーテンなら、洗濯機でもザバザバ洗えば、気持ちよく過ごせます。

リネン(麻)は自然素材としも、すばらしい素材です。水や汚れに強く、洗えば洗うほど風合いも出てきますので、カーテンに飽きたら、キッチンクロスや、クッションカバーなどにも転用できる、一生モノの素材です。(2005年8月記載のものから転載しました。)

自然エネルギーの利用

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自然の力の利用:パッシブという選択

パッシブソーラーの選択

土間
雨水
落ち葉の堆肥

太陽光は是非利用したい。太陽光発電。太陽光温水器。またハイブリッドソーラーやパッシブソーラーなど各メーカーにもそれぞれ特色、工夫や発明があります。

その中で世田谷区下馬の家で選択したのは、環境創機さんのパッシブソーラー「そよ風」です。

 

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そよ風の実物モデル           
開発者の友伸平さん

 

アクティブソーラーである太陽光発電は、メーカーの企業努力からソーラーパネル自体の耐用年数も伸び、また温暖化対策から、国も普及を再び積極化するようですが、その生産にかかるエネルギーや、コントローラーの耐用年数とメンテナンスコスト。そして最終的に土に還らない。という点、そしてコストという点でも、難しい選択肢となりました。

パッシブソーラーのシステムにもいくつか選択肢がありましたが、最終的には、環境創機さんの「そよ風」を採用することにしました。

パッシブソーラー草分けの開発者である友伸平さんのものつくりに対する姿勢は、日本の開発者としての真摯さ、何より良いものを適正に、多くの人に広めたいという姿勢に共感をしました。

断熱をきちんと執ることを前提とし、冬は太陽光の熱を屋根から集熱し、その熱を床下に落として、暖かい空気を部屋全体に届けます。

夏は、太陽が沈んだ後の放射冷却を利用し、各部屋に涼しい空気を届ける、冬暖かく、夏涼しいというしくみです。

 

家の大きさに比べ、南面の屋根が小さいこともあり、100%の性能を引き出すことは難しいようですが、断熱をきちんと入れることとあわせ、夏冬の冷暖房の効率を高めることが出来れば、エネルギーコストの節減にもつながると考えます。そして何より、環境負荷が小さいという点がうれしいシステムです。

土間と東からの朝日
ダイレクトゲイン・植栽・パーゴラ

土間は、エコと機能性、また人とのつながりにも是非取り入れたい空間です。

南側に土間を作ることで、冬場は低くさす太陽の光が土間に蓄熱し、その空気が部屋を暖めてくれます。

そして何より土間は外と内をつなぐ中間の場所として、収穫したものを一時的に処理する場として、また訪れる人を気軽にもてなす場としての、とても便利な場になります。

夏の暑さ対策は、バラ・ゴーヤや葡萄などのつる性の植栽で、日陰を作ります。緑のカーテンは普及がめざましく、街を歩いていてもよく見かけるようになりました。

そして、大切な朝の東からの太陽。

植物や作物を育てる為には、何時間もの日の光より数時間でも東からの光が大切と言われますが、人間にとっても、朝の光を浴びることが体のリズムを整えるために大切です。

出来るだけ東南から光を室内に届けることが、健康と快適さには、大切なことと考えます。

 

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3つの東南角。向かって右側からキッチン・リビング・土間の間取り。

 

 

雨水タンク

水道代と資源の節約の為、雨水は是非利用したいものです。

車の洗車や、植物への水遣りなどはもとよりパーマカルチャー塾で神谷先生(設計計画水系デザイン研究室)に教えて頂いたのですが、 降り初めの雨水は大気中のゴミや埃が混じっていますが、それさえ取り除けば、まじりっけ無しの純粋軟水なので、洗濯モノは真っ白になるとのことです。

日本ほど水に恵まれた国はありませんが、大切な資源である雨水の利用は、是非導入したいものです。

 

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「雨水市民の会」
天の水を尊ぶという素敵な名前の雨水タンク「天水尊」。
海外でも活躍されている ,雨水博士の村瀬誠さんは、雨水利用の第一人者です。

 

 

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緑のカーテンは、随分ポピュラーになりました。
収穫を楽しめるゴーヤは、夏の必須アイテム。
塩だけの味付けで豚肉とごま油で強火で炒め、鰹節を沢山かけるのが、お勧めです。
パスタにいれても、苦味がさわやかで、あきません。

 

 

 

 

剛と柔

 「剛と柔」

「伝統と新しい技術」「パッシブ・アクティブ」

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奈良薬師寺の東塔(向かって左)・金堂(真ん中)と西塔(向かって右)

奈良時代に創建され現存する東塔と、1981年西岡棟梁らによって再建された西塔。1000年後、自重で沈む姿を計算され作った西塔と、1300年の年月を経た東塔が日本建築の悠久を静かに語りかけてくれているようです。
 

 

 

 

エコロジーの世界にも剛と柔があります。

太陽光や風・樹木等の自然や,そのエネルギーを上手に利用したり、土壁や庇・打ち水やよしずなど古くからの伝え続けれらたヒトの知恵を上手に利用するのが、パッシブ・柔であるのに対し、ハイテクを駆使し、動力等を使った装置を使うのが、アクティブ、剛になるように思われます。

ソーラーパネルの太陽光発電やハイブリッドカーはその代表選手でしょう。

既存のガソリン車や、石油エネルギーを使い続けることと比較した場合、CO2の排出が抑えられる事も数値化されています。

しかしながら、果たしてその製品を作るコストやエネルギー。耐用年数とメンテナンスコスト、そして最終的にゴミになった時の事などを考えた場合、実際の所、どうなのであろうかは、多くの議論がある所です。

どちらを選択するかは、経済性や価値観・目的によりますので、出来る限り、正しく適正な情報から判断することが肝要かと思います。

少なくともエコだから、太陽光発電をしているから、電気をいくらでも使っても良い。

ハイブリッドカーだから、車もどんどん乗っても良い。という考え方だけは避けたいものです。

建築の構法にも剛と柔があります。

コンクリートや、鉄骨などの頑丈な構造体には安心感があるでしょう。木造でも、金物でがっちり固めることが、丈夫で安心であるという考え方があります。

一方、木と真剣に向き合う大工職人は、口をそろえて「木と金物の相性は悪く、時間が経過すれば、金物がゆるみ、腐ってくる」といいます。

また、無垢材は個体差がある為、客観的に強度を数値化することが難しい一方、工業製品である集成材は、数値化が容易な為、数値化できるものを、強いといいます。

剛構造・高気密・高断熱や外断熱が、良いとする風潮もあります。

高温多湿の日本では、昔から、「家造りは夏を旨とせよ。」といわれ、冬は寒い家になってしまいましたが、家と住む人間の、健康や快適さを考えれば、「風通しを良くすることを忘れず、冬も快適にすることを考えるべきではないでしょうか。

地震から家を守る為に、頑丈といわれる素材でがっちり固め、沢山の金物を使い、あるいはハイテク技術を駆使した免振・耐震構造技術を開発し、カビや結露・シックハウス対策の為に、24時間換気という動力装置を入れ、一部の心無い建築業者を取り締まる為に、法律が厳しくなり、また少しでも安くという価格至上主義は、安い材料で量産・工業化住宅となっています。

顔の見える人と人との信頼関係よりも、10年保証という保証書の方が大切になっていますが、保証が終わった10年後はどうなるのでしょうか?

自身の仕事に誇りをもつ職人は自分のつくったものは、一生の責任をもって仕事をしてます。

地震国日本は古くから、木造の伝統構法は本来釘や金物を使わない、柔の構造でした。

大工により刻まれた、仕口や継ぎ手で組まれた木組みの家は、しなやかさで地震や台風から人を守ったものです。

長い庇や土壁が夏の暑さをさえぎり、冬には断熱の役目を果たし、障子や襖が、光や温度を調節します。

宮大工、西岡棟梁のことばの中に、

法隆寺の修復に携わり、様々な時代の工人による補修の痕跡をみると、1300年前の飛鳥の工人を超えるものは無いという事が書かれていました。

 

日本の建築文化が飛鳥の時代に確立していたということを、今一度よく考えてみたいものです。

先人の知恵に学び、本質をはずすことなく、新しい技術を取り入れていく。

「剛と柔」「パッシブとアクティブ」「ハイテクと伝統」それぞれの特質を理解し、バランスよく取り入れること。

それが本当の進化の形だと考えたいものです。

 

 

車知継ぎ

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 車知継ぎ

柱を中心に、引き合う構架材で使う継 ぎ手。

 

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金物に頼らない木組みの技術 金輪継ぎ

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 大工さんいわく、最強の継ぎ手。

込み栓をうつことで、一本の材のような強度となり、ひっぱりやねじれにも最強の継ぎ手です。

柱梁のいずれの方向にも有効なので、通し柱の長さが足りないところにも使わました。

複雑な形状なので、大工さんの技術が問われる継ぎ手です。

 

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金物に頼らない木組みの技術 台持ち継ぎに長いほぞ

 

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 一階部分の梁は台持ち継ぎで継がれ、その上に2階部分の柱がのります。

一般的な台持ち継ぎは、ダボとボルトで留められますが、ここでは、芯に柱からの長いほぞが梁の上場ないし途中まで通っています。

 

これは、代々大工職人の熊谷棟梁の先代のおじいさんが考え出した仕掛けだそうです。

芯に下の柱の長いホゾが通っているのですから、抜けることは絶対ありません。

またねじれに強いねばりのある仕掛けになっています。

台持ち継ぎ自体が、

繊細で精度の高い技術を必要とする為、プレカットではできない継ぎ手ですが、この仕事は更に、刻みの手順や穴のあけ方など熟練のノウハウと手間のかかる仕事で、今の時代に手がける人は少ないそうですが、後世にも繋げていきたい、真に木の性質を見抜いた、大工職人の知恵です。

 

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お引越し

これまでホームページは試行錯誤ながら自前で作成していました。

今回、わたしたちの家つくりの考え方に共感していただけるプロのWEBデザインの方々とのご縁を頂きましたので、このたびホームページもリニューアルをすることにしました。

 

しばらくの間、こちらのプレオープンページとなりますので、よろしくお願いいたします。

今までのブログはこちらになります。

http://ameblo.jp/oncochishin/

職人の道具

 大工の道具は、手の延長です。柄ひとつ、重さや形まで使う人の手にあわせ、手をいれて命が吹き込まれています。

大工のノミは、いとも簡単に指を落としてしまうほど、鋭利で危険なものですが、その道具で人を傷つけたりする事はありません。

毎朝道具や機械を揃え、刃物を研ぎ、仕事が終われば、掃除をして元の道具入れにしまいます。

毎日毎日研いでも、カンナの刃をきちんと研げるまでには、5年かかるともいわれます。

その道具は、世界に誇れる日本の鍛冶や目立ての職人によって作られてきましたが、その後継者が減っているのも現実です。

手刻みの現場でも、すべてがノミ・のこぎり・カンナ等で手作業をするわけではありません。電動機械を使う場面もあります。人の目を通し、状況に応じ道具を使い分けます。

材木の種類や、性質によっても道具を使い分けます。

杉材は、現在流通する国産材の代表格ですが、大工さんにとっては、たいへん苦労をする材でもあります。道具を使い分けることで、納得いく仕事をするのです。

そして日々仕事がどうやってはかどるかを考える創意工夫があります。

 

 

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親方の研ぎハコ。常に水をはったこの木の箱から水が漏れることはないのが親方のちょっとした自慢です。

 

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毎朝の仕事は研ぎモノから始まります。

 

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左右の角に合うように作られた双子のノミとカンナ

 

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巾3寸を超える巨大なノミ。沢山の刻みをする時にはこのノミが大活躍ですが、研ぐのも一苦労のようです。

 

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せまい場所にのこぎりを入れる為ため、先を細くしたのこぎり。

 

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角のみ機/ほぞとり機等の電動機械も活躍します。

 

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創意工夫の中からの発明品。これが何の為に使うものかわかった方は、是非ご連絡ください。

 

墨付け・刻み

人間とコンピュータ。どちらが優れているか。という議論はナンセンスだと思います。

改良を重ねたプレカットは、データの入力さえ間違えなければ、精度が高く間違いがありません。

人口乾燥材への抵抗がなく、信頼できる材料を使い、それほど長寿命の家を望まないのであれば、コストと予算が圧縮できるプレカットは良い選択です。

ただ、プレカットの場合でも、木の性質をみて仕事をするかしないかでは、大きな差が出ます。

昔ながらの大工による墨付けの作業は、芯の位置や木目をみて、将来的な木の曲がりや反りを計算して、どの部位にどの木をどのように使うかを考えます。

時間とコストに追われる最近の現場では、木の上下も、どこに使うかなども関係なしに、右から左に、並べているという現場があることは残念なことです。

一生涯あるいは、次の世代にまで家を残したい。あるいは、真の日本の伝統建築技術をもった職人に委ねたい。また、出来る限り金物に頼った家にはしたくない。とお考えであれば、吟味した材料を使い、職人の手間代という若干の予算が必要になりますが、刻みという選択肢があります。

プレカットにもピンきりがあり、手刻みの仕事にもピンきりがあります。

コストを圧縮しようとして安い材料や、仕事を知らない人間の手で作られるプレカットの家と、材料を吟味し、きちんと経験を積んだ職人によるプレカットの家では全く出来は異なります。

それは刻みでもいえることです。

いい加減な仕事をしても、刻みは刻みです。

あえて言うなら、中途半端な手刻みであれば、プレカットの方が良いかもしれません。

私たちの職人は自分の仕事への誇りと、そして作ったものへの一生の責任を持っています。

そして何よりも仕事が大好きな職人です。何代も続く先代の職人の口伝を引き継ぎながら経験を積む一方で、良い仕事をする為に、日々創意工夫や道具の手入れにも手を怠りません。

見るヒトが驚き、関心する仕事を当たり前の事としています。

 

 

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最近では刻む事の出来る職人がいなくなった為、あまり使われなくなった金輪継ぎ手。ひっぱりやねじれに強く、大きな梁の継ぎ手になります。

 

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丁寧に作られた台持ち継ぎ手。きめ細かい細部にわたる気(木)遣いはプレカットには出来ない技です。

 

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車知や二枚ほぞ等の継ぎ手仕口ももきちんと面をとった丁寧な仕事です。

 

天然葉枯らし乾燥、トレーサビリティのTSドライ

私が、初めて天竜のTSドライさんを尋ねたのは、天然乾燥にこだわった材木を生産・流通されていたからです。

山での3ケ月の葉枯らし乾燥と6ケ月以上の天然乾燥を行い、さらに一本一本の木をバーコードで管理するトレーサビリティを確立し、そして 木曾に近い美杉の産地であるという理由もありました。
 
現在流通する材木のほとんどは、人口乾燥材が主流で、天然乾燥材を入手するには、一年以上前から準備を必要とするのが一般的ですが、、天竜のTSドライさんは天然乾燥にこだわり、在庫をもって産直という形で生産・流通しています。
材木は一般的に原木市場に入りますが、市場に入った材木の産地をすべて信じることは困難である。というのがこの業界の常識だそうで、その意味でもトレーサビリティを確立されているということは、大変なことでしょう。
 
農産物や食品の世界と同じように、素性と作り手を明らかにする事は、手間と時間のかかる事ですが、何より製品に対する信頼を得る大切な努力です。材木の世界でも実現されることは、消費者にとっても、とても良いことだと思います。
 
ちなみに、 人口乾燥材が主流の理由は、人口乾燥材でないと納入先から反ったり暴れたりというクレームが来るからだそうです。
プレカットが主流の現在、材木は機械に入れるためまっすぐで表面が割れていないものでないと都合が悪いのだそうです。
確かに、プレカットにとって人口乾燥は必須の技術です。
 
しかし木の一本一本をみて、くせや曲がる方向をよみながら、手刻みをする場合には、人口乾燥は不要で、高温で乾燥された硬く乾いた表面に、のみやのこぎりをいれるには、骨が折れるようです。
しかも仕口や継ぎ手による木組みの工法の場合、いずれ内部割れを起こす可能性の人口乾燥材を使うことは大きなリスクを抱えることになります。
 
天竜TSドライさんは伐採期間も10月から3月の水のあがらない冬場に限定しています。採算の為、一年中伐採する産地もあるようですが、良い製品に責任を持って提供されることは、ありがたいことです。
また 冬の新月の期間に限定し、伐採後は天然葉枯らし乾燥を経て約1年間以上乾燥させた「ノイモントホルツ」という材も提供しています。
日本でも古くから、吉野等では「闇伐り」という言い伝えがあり、法隆寺の柱も「闇伐り」といわれています。
新月伐採が科学的に証明されているわけではないようですが、経験的に新月に伐った木の細胞には、水分やでんぷんの量が少なく、虫がつきにくいということがいわれているのだそうです。
 
30年住宅か、100年住宅か。家をつくる際に、どちらを選択するはよく考えることが大切です。
 
 
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天竜TSドライさんは深い深い山の中にありました。木が横に生えてしまうほどの、切り立った山です。杉だらけなのですが、花粉症で悩む人は少ないそうです、杉花粉は、都会の空気とまざりアレルギーを引き起こすという一説も・・・
 
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一本一本の材木につけられるバーコード。最初の06は伐採年の2006年。管理番号や事業者コードが続き、Jというのが樹齢100年以上という記しです。
 
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向かって左がTSドライさんの天然乾燥の杉。外側には割れがありますが、この割れは強度には影響がありません。
右側は、天竜産の杉の人口乾燥材。同じ杉ですが、全体的に黒くなっていて、内部が割れています。

木の乾燥について

どんな木を使うか?はもちろん大切な事ですが、その木がどんなヒトによってどのように流通されているかは、もっと大切な事です。その中で乾燥がどのようにされたかも、重要なことです。

木材乾燥といっても、乾燥の方法は人工乾燥、天然乾燥、古民家の知恵を利用した燻煙乾燥や、更には過熱蒸気を利用したものなど様々でそれぞれ一長一短の特性をもち、一概にどれが正しく良いという判断は出来ません。

しかしながら、施工側の都合やコストが優先して、「木」本来の特性を失ってしまったり、将来的な安全性にかかわる問題が懸念され事もあるようです。

高温短期間で乾燥する人工乾燥は、一般的に表面が黒くなりますが表面割れや反り暴れがないので、プレカット・金物工法に適し、乾燥方法の主流になっています。

一般的な人工乾燥は、重油で、高温短期で表面を乾燥させるので、木材の芯まで乾燥しない為、時間経過と共に中心から割れてくるという、内部割れが生じる場合があるようです。

木材の強度にかかわる内部が割れてくるという事は、将来的な構造の安全性にもかかわる事になります。そして人工乾燥の材は触ってみると、表面がぱさぱさして、水分も油が抜てしまっている場合もあります。

ローコストで、短期間で家を作りたい。という場合には、人工乾燥・プレカット・金物という工法は最適ですが、家を安全に長持ちさせたいという場合、材木の素性については十分留意が必要かと思います。

時間をかけて内部まで自然乾燥した天然乾燥材は、自然に表面が割れてくる干割れ(ひわれ)が生じますが、この表面の割れは、材木の強度には影響しないといわれています。

背割りといって、あらかじめ柱や丸太に切れ目を入れるものもありますが、狂いや反りを防ぐ為の、材木を扱う古くからの知恵です。

本来であれば、丸太を使えば反りやあばれの問題はないのでしょうが、すべてに丸太を使うということも中々、現実的ではないようです。

天然乾燥は、手間も時間もかかり、またお天気に左右されるので、ばらつきが生じるというデメリットもありますが、コスト的には、重油を使う人工乾燥と同じ位のコストで入手が可能です。

 

国産材を積極的に使う事は、言い換えれば杉材を使うという事になります。繊維が強く、夏目と冬目の差が大きい杉材は、狂いや反りが大きい樹種で、大工さん泣かせの材です。

日本の森林を活性化させることは、木材の乾燥技術を磨くことであると、様々な木材乾燥技術も研究され、効率的で安全性が高く、施工性の良い乾燥技術が生まれてくることには期待したいところです。

現状では、 負荷が少なく安全性の高い、天然乾燥の材を、経験を積んだ大工職人の、木を見る目と刻みの技術に勝るものはないと思います。

戦後の日本の家は30年の寿命といわれていたのが、にわかに200年住宅構想により、長寿命の家づくりが提唱されています。

林業の生産者の方が、今まで人工乾燥材でなくてはいけないといわれていたのが、天然乾燥でなくてはいけないと、行政の方針が方向転換されることに、戸惑いを感じているという方もいらっしゃいました。

手間や時間をかけ高価な材料を使えば、安全安心な家が手に入るのでしょうか?それでは一部の人の手にしか手の届かないものでしょう。

確かな技術とマネージメント力、そして、適正な材料を選ぶ力があれば、安全安心で快適な家が適正価格で手に入る。という事を真剣に取り組むこと。そして消費者もそういった施工業者をきちんと見極める為の情報なり、判断力が必要ではないかと思います。

コストと安全性と耐久性。

この3つが納得できるように、成立させられれば家つくりは成功でしょう。私たちは、その実現の為に労を惜しんではいけないと思います。

 

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上が天然乾燥の杉。下が高温短期乾燥の人工乾燥の杉。杉は赤身と白太で色の違いのある材ではありますが、産地が同じ杉でも人工乾燥の黒っぽさはまた特有です。

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向かって左の天然乾燥材には表面の干割れがありますが、この割れは強度には影響がありません。

右側は、天竜産の杉の人工乾燥材。表面には割れがなく、まっすぐですが、強度に影響がある内部が割れています。

 

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大工は一本一本の材木をみて、何年も先の木の曲がりや反る方向を読み、どの部位にどのような使い方するかを考えます。

 

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24ケ月天乾と記載されています。

 

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背割りの入った芯持ち材。詰まった目が美しい。

 


 

 

リクルート

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リフォームラボ株式会社

info@reformlab.jp

国産か輸入かという選択

 

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地産地消の視点から、そして日本の気候風土で育った国産の材を使うことが、家の健康の為にも良い事だと思います。

日本の森を再生するという意味でも、積極的に国産の材を使うことは大切です。

国産材を積極的に使うことは山を活性化し、間伐を行うことで、森が健全となり多様な生態系を形成し、川や海を豊かにします。 

成長する木はCo2を吸収固定するので、温暖化の防止につながり、未来への責任を果たす為にも、国産材を使うことは、大切なことです。

 

 

しかし、国産材にもピンきりがあり、輸入材にもピンきりがあります。

すべての国産材が良いというわけでもなく、またすべての輸入材が良い、あるいは悪いというわけでもありません。

量産工業化住宅で特に重用されるホワイトウッド(オウシュウトウヒ等)の白蟻被害の問題等は、看過してはいけないでしょう。

 

コストや、施工側の利便性の追求から、木を皆伐しているロシアや中国の山は、近い将来禿山になってしまうのでは、という懸念があるという話も聞かれます。

 

木材の健全な生産・輸出に力を入れているカナダ栂は、樹齢100年以下の木は伐採せず、厳しい管理のもと、高品質の木材を生産流通しています。

良質できちんとした管理の下の製品であれば、必要に応じ輸入材でも使うことに躊躇する必要は無いように思われます。

 

 

風評や一方の話だけを信じるのではなく、時間を惜しまず、生産者や携わる人々と会って話しをし、取り組む姿勢を聞く事がとても大切です。

誠実な志をもっているかどうかは、会って話しをして自分の目で確かめることで、確信になります。

 

 

 

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私たちは、新木場の材木市場にお客様を直接お連れすることもあります。最初素人には見分けがつかない沢山の材木も、プロの人の話を聞きながらみていくと、段々違いがわかってきて、引き込まれていくのが面白いものです。
この材木市場はいわば、材木の築地市場で日本の名産地のすばらしい材木が集まっています。しかしながら輸入の人口乾燥材におされ、それらは8割程まで占めているのが現状です。
写真は、吉野の5寸檜の化粧柱を見立ててもらっているところ。

木を使うということ

 

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 ◇ 温故知新と地産地消・地使用◇

国産の材を手刻みすることが、日本の建築文化を守り、育てます

 

地元でとれたものを地元で消費する地産地消は、建築の世界でも、大切なことです。

 

採れたての新鮮な素材が何よりのご馳走であり、その土地の風土が様々な文化を創りだすように、

その土地の風土・気候で育った材で建てた家は、その土地に一番適し、そして結果的に長持ちをします。

 

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価格が安く、扱いやすいという理由で使われる輸入材は、高温多湿な日本の風土では、腐朽やシロアリ被害を呼ぶこともあります。

 

手刻みの出来る大工職人は、目的に応じ樹種を選び、木の特徴やくせ、方角や配置を考え、材を選びそして刻みます。

職人のモノ創りの知恵と創造力と情熱で紡ぎだされたカタチは、自然に調和し美しく、人の心を揺さぶるものです。

 

レタス一枚まで地球中の様々な場所から来るコンビニ弁当は、手軽で便利ですが、創り手の顔は見えません。旬の地のものを使い、顔の見える創り手による食材と料理は、心とお腹を満足させ、そして幸せにしてくれます。

規格の部材を組み立てる 工業化製品の家ではなく、お客さまと向き合って、材やプランを吟味する家つくりが私達の仕事です。

 

国産の木を使うことは日本の建築文化を守ること、そして健全な森や海を育てることにも繋がります。小さな循環を意識し、材料を調達することで、コストは低減し、環境への負荷は小さくなります。

 

 

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◇木のカーボンニュートラル

 

木は成長過程の光合成で、Co2を吸収し、その木を家の構造や家具として使うことで、吸収したCo2を長期間固定し、温暖化対策に有効となります。 

木材は最終的には土に還り、その際にCo2を排出しますが、Co2の収支はゼロ、すなわちカーボンニュートラルという点で、Co2を増大させません。 現在安価に流通する輸入材は、日本の高温多湿な風土にあわない為の品質の問題や、大量伐採による、砂漠化や温暖化などの問題、また無駄な流通コストや経費も、安い労働力により支えられているだけで、環境破壊や不平等という点では将来に大きなつけを支払っていることになります。

 

国産の木を、手刻みで。

 

日本の建築文化と自然を尊び、その自然に寄り添っていけるように。

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天然国産材のオーガニックエコな家つくり

地域に生きる一員として、地域環境に調和し、安全・安心・快適で、自然と共生する持続可能な循環型の家つくりを目指します。

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